ずっとそう笑ってたんやね

ついこないだ、近所のスーパーで前の職場の後輩に会った。

たまたま中学校も同じで(そのころは知らなかった)家が近い。

だから、ばったり会うかな、とたまにおもったりしていたけど、

5年くらい会わなかった。

その子は髪がすごく長くて、明るい色に染めているから、

そういう人の後ろ姿を電車なんかで見かけると、あ、Kさんかな、とおもってじっと見て、

あ、こんな靴は履かないだろうな、あ、このかばんKさんぽくないや、って、

持っているものなどで違うとわかった。

久しぶりに会ったKさんは、前と同じ笑い方やった。

ひひひひ、と笑ってた。

「お菓子買お、と思ってたんです」って言ってた。

スーパーを出て、ひとりで暗い道を歩いていたら、

Kさんと一緒に、同じような暗い道を歩いていたことを思い出した。

仕事が終わって、そのあと残って練習をする前に、晩ごはんを買いにコンビニに行ったときのこと。

その日は、多分わたしの誕生日の前の日やったんやろうな。

「明日、はたちになってしまう。二十代やで。やばいなぁ。へへへ」ってわたしが言ったら、

「ひひひひ、二十代やばいですね」ってKさんが言った。

もう10年前のこと。全然やばくないのに。