ちゃんと生きてる

おそらく小学5年のころ、教室の後ろの方に小さい本棚があって、

そこに、恐ろしい漫画が置いてあった。

多分、中学生くらいの女の子が主人公で、

学校の健康診断の場面から始まって、

聴診器をあてたお医者さんが、ん? ってなって、

「し、心音が聞こえない……」ってなって、

でも、その女の子は動けて、歩いたり、なにか思ったり、考えたりは、

いつも通りできて、

でも、どんどん体は腐っていって、最後はうじ虫だらけになってしまうという話やった。

うじ虫だらけになっても、意識は最後の最後まであった。


すごく恐くて、でもわたしは何度も何度も読んだ。

あれのせいで、わたしは、自分がほんまに生きてるんかな? って、

ほんまに生きてる自信がたまになくなる。

あれ…? 生きてる、よなぁ…

わたしおるけど、ちゃんと生きてるよなぁ、ってなる。

鉄になりたい

昔、タイ人通訳の子に、「ふちさんは、気が強いですねー、心がないみたい」

と言われたのを思い出してる。

ナットさん。ナッちゃん。

にこにこ笑顔で言っていたから、わたしは頭の中でなんとなく変換して、

きっと、多分、「心が強いですね」って言いたかったのだ、と思うことにして、

たまにふっと思い出して、そうだわたしは強いんだ、と、

いろいろなものごとにへこたれそうなとき役立ててきた。

鉄の人間になって、純粋さを爆発させたい。

なにを自分でと、なんかいろいろばかにされたとしても爆発させたいんだ。

お店の名前の漢字が読めないのだけど

横尾香央留さんの「お直しとか カルストゥラ」を読んでいたら、

日記を書きたい熱がくつくつと湧いてきて、

いっそのことあたらしくブログを始めようかなと思ったけど、

(というか、もう作った。一回長文を書いて消した)

やっぱりこっちにしよう、とここへ向かっております。

もうすぐ春なんだな。もう春なのかな。わからない。

なんかこの一年の季節の移ろいはけっこう覚えている。


近所のパン屋のパンが本気でとてもおいしくて、

かめばかむほど幸せな気持ちになってくるからすごい。

レジの横に木でできた大きさが違うカメの置物が何個か置いてあって、

見るたびいつも違う置き方になっている。

今日は全部重なっていた。

朝です。

今年は厄年で、そこまで気にしていたわけじゃないけど、

厄年っぽい年です。

大きなことはないのだけど、

今まで貯めこんでいた毒のようなものが一気に出ている。

昨日は一瞬へこたれそうになっていたけど、

持ち越した。

朝から14歳からの哲学を読んでる。

理想と現実は相反しない。

ソーセージエッグマフィンとチョコレートクッキー

上がったり下がったりはげしい日々です。

昨日はほんとうに落ち込み過ぎて、

あかん、寝よう寝ようって、布団に入ったのが夜の8時。

起きたんが朝の10時。

今日は天気がよくてよかった。

外が明るくて、空気が冷たくてよかった。

近所にコンビニないとおもっとったけどみつけた。

ソーセージエッグマフィン買ってあたためてもらって食べた。

問いのない答えと一緒に

問いのない答えを読んでる。

電車の中で読んでいて、笑いそうになるのを必死でこらえていたかと思うと、

その後、電車を降りて歩きだすと、胸がいっぱいになったり、

ああ、そうだよな、

みんな一瞬一瞬なにか感じるのに、そのあとすぐに元に戻ったり、

また思い出したりするんだなぁ、

なんてあらためて思ったりしてる。


おおみそかの日、アルバイト先で、

「今年もお世話になりました、来年もよろしく」の挨拶をして、

そのあと、こんなこと聞くのもあれですけど……って、

「独身ですか?」と聞かれた。

「独身ですよ」と笑って答えると、

「ぼくと同じ感じなんですね、生きていくのって大変ですね」と言われた。

そのひとは、多分もうすぐ30歳になるかならないかくらいだと思うけど、

30歳になる直前って、いろいろ考えるものなのかもしれない。

アルバイトで、収入も少なくて、結婚ってなに? みたいな感じで、

どんどん歳だけ重ねていって、この先、なになに、

このままで生きていけるんやろうか、って思うんかもしれへん。

「またなにか話したいです」って言っていたから、

同じような境遇のわたしがおって、

ちょっとは気が楽になってるのかもしれない。

役に立ってるかもしれないな。