きれいじゃないものをすこし遠ざけるくらいは、できる気がしてきた。

最近、なんだか力が入っていてよくなかった。

ずっと急いでいた。

時間がきちきちしているから急いでいるのもあるけど、

それだけじゃない気もする。


石田千さんの「バスを待って」を、昨日買って、ちょっとずつ読んでる。

帯に、ゆるり、ゆられて と書いてあるけど、その通りで、

本のなかの文字を目で追っていくと、

なんだかぎゅうぎゅう詰めになったわたしも、ゆるり、ゆられる。バスの匂いがする。

この本には20編の短編が入っていて、はじめから順番に読んでいってる。

昼、帰りの電車で読んでいると、すごく好きなところがあった。

すごく、と書いたけど、やんわり好きな感じ。やんわり、すごく好き。


『あんなふうにわくわくできなくても、好きなものがわからなくても、

きれいじゃないものをすこし遠ざけるくらいは、できる気がしてきた。』


本があってよかった。本が好きです。