さきちゃんたちっていいね

さっき、よしもとばななさんの「さきちゃんたちの夜」を買った。


昨日、本屋でちらっと見て、

表紙の絵と中の挿絵が、猫村さんを描いているほしよりこさんの絵で、

うわー、いいな、と思っていた。

まだ読んでいないのだけど、

この本は、早紀ちゃんだったり、咲ちゃんだったり、さきちゃんだったり、

同じ名前を持っている、いろんなさきちゃんたちの5つの話を集めたものみたい。

わたしはあとがきだけ読んで、昨日は結局買わずに棚に戻して帰ったのだけど、

あたまのすみっこでずっとこの本のことを考えていた。



フリーマーケットやごはんの会でたまに会う早希ちゃんという女性がいます。

絵がうまくてお母さんの手作りのすてきな服を着ていて、

きっといろいろとんちんかんなところもあるんだろうけどとにかく憎めないかわいさで、

みんなをほっとさせて、三十代なのに少女らしさが残っている、そんな感じの子。

みんなが彼女の名前を呼ぶとき「早希ちゃん」という響きの中に、

なんとも言えない明るいものや楽しいもの、ほうっておけない気持ち、

いろんなものがこもっていて、

きっと今の日本にはこういうかけがえのないさきちゃんが

いちいち目だたなくてもたくさんいるんだろうなと思いました。』



さきちゃん。

そういえば、小中学校のときの同級生にさきちゃんという子がいたなー、と思った。

友だちと呼べるほど親しい間柄ではなかったけど、

多分、同じクラスにもなったことはなかったけど、何度か話したことがある。

小柄で、からだも細くて、なんとなく小動物みたいな感じの子で、

よくとおる声をしていた気がする。

わたしが覚えているのは、食パンの袋についている水色のプラスチックのとめ具(?)を、

たくさん集めていたこと。なんかたくさん持っていたような気がする。なんでだろう。

そんなことも思い出したりした。



そして、昨日わたしはたくさん郵便物を出した。

住所を順番に書いていって、あーみんな元気かなって思って、

これがひとりひとり生活している場所に届くんや、そこでみんな生きているんやと思うと、

みんなのことを、うわーって、なんだかほんとうにいとおしく思ったのだった。