宝石って

ぽつぽつ、ふとしたときに思い出して、

(ふとしたときっていうのは、ほんまにふとしたとき。

バイト中に試験管洗っているときとか、信号待ちのときとか。ちょっとぼーっとしているとき)

あ、そういえば、あれ、って思って、帰って見ようとしていたけどいつのまにか忘れて、

ほんで、また別の日になって思い出して、でもまた帰ってきたときにはもう忘れてて、

っていうのを、何度かくりかえして、やっと見た。

長田弘さんと、渡邊良重さんと、薗部悦子さんの絵本「ジャーニー」を見た。


宝石って、わたしはほんものを見たことがあるのかわからへん。

誰かがつけているのをちらっと見たことがあるかもしれへん。でもわからへん。どうでもよかった。

はじめてこの本を見たとき、宝石の写真を見て、へえ、きれいな色やなぁと思っただけやと思ってた。

今もちゃんとわからへん。わからへんけど、

写真をじっと見て、じいっと見て、きんとする。しんとする。しゃんとするとはちゃう。

うわーと興奮するのとも違うし、うっとりするわけでもない。なんやろう。

たまに部屋に閉じこもって、この本をじっと見て、しんとしてたい。