つるちゃんのМD
先日、МDウォークマンをいただいた。
わ、なつかしい! と思った。
でも、わたしの家にはMDを聴ける機械がないから、
録音もできないしなぁ、と思っていた。
それで、思い出した。つるちゃんに貰っていたМDのこと。
つるちゃんは、わたしが前に働いていたところの同期で、お店は違ったけど、
講習だったり、集まりなんかもけっこうあったから、そのたびに、いろいろ話したりしていた。
つるちゃんは、少し背が高くて、手足もすらーっと長くて、かっこいいしかわいい。
大きな口を開けて、わーっと豪快に笑って、人一倍気が利いて、明るくて、話す声も大きくて、
でも、人一倍繊細で、だから、よく気づいて、わたしがちょっと落ち込んでいるときとか、
メールだったり、手紙だったりを、さりげなく、ほんとうにさりげなく、くれたりした。
わたしのおかあさんが亡くなったときも、何度も電話をくれて、
それで、そのとき、つるちゃんの大好きなミスチルの曲が入ったМDと(つるちゃんズベスト)、
その歌詞とか、絵とか、コメントなんかを書いたぶあつい紙の束をくれたのだった。
でも、わたしは実はCDラジカセしか持ってなくて、聴けていなくて、
ずっと、紙の方だけぺらぺらと、ああ、うれしいな、すごくうれしいな、と眺めていたのだった。
あれが聴ける! と思って、出してきて、今聴いた。
うん、すごくいい、すごくいいよーつるちゃん、と思った。
聴きながら、溜まりに溜まっていた洗いものをしたら、鼻水がいっぱい出てきた。ちょっとだけ泣いた。