お正月です

数年前から、おかあさんがいなくなってからかな、4年前からか、

お正月の1日は、いつも1日中、他にはなんにもしないで、本を読んで過ごしていた。

今年もそれ用にと買っていたのだけど、多分、今日はそんなに読まない。変わった。


4年前は、大みそかの日の朝に、タイから大阪に帰ってきて、

寒くないところから、とても寒い、この前の並木道のところを、

スーツケースをころころころころしながら、ひとりで帰ってきた。

ちょうど今日みたいに天気が良くて、光の感じが似ていて、

さっき、外に出たとき、思い出してしまった。




今年の、というか、去年のか。去年の年末は、わたわたしていてなにも手がつけられないままだったから、

さっきからおおそうじをしている。(今は休憩中なので、途中)

そしたら、よしもとばななさんの「デッドエンドの思い出」が出てきて、

ああ、なつかしいな、と思って、開いて少し読んだ。


この中の「ともちゃんの幸せ」がすごく好きで(他のもいい)、

何度も読みすぎて、ぼろぼろになってしまって、またあたらしく買いなおしたほどだった。

それなのに、へえ、こんな話やったんや、とあまり覚えていなかった。

でも、やっぱりいいな、と思った。



『ともちゃんには友達が少なかったが、いっしょに働いている人とか、親とか、

飼っていたインコだとか、育てていたポトスだとか、ラブロマンスの映画だとか、

大切にしているものが数限りなくあった。大切にしているものがきれいな輪になって

まわりに存在していることが、ともちゃんにとっての人生だった。』