プレゼントだ
『おとなりの若い父親が練習するショパンでわたしたちは踊った』
雪舟えまさんのこの歌を見て、
歌集がどうしても欲しくなって、アマゾンの古書を注文した。
まだこの本が出たばかりのころ、うめだの紀伊国屋書店で見ていたのだけど、
どうしようか迷って迷って、30分くらい迷って、結局買わなかったのだった。
今やったんやわ、と思う。
なぜなのか、とてもていねいにプレゼント包装をされて、
緑色のリボンまでついて届いたこの本は、もう、ほんとうにプレゼントだった。
各章ごとにある、なんだかわなわなさせられる文も、
いもうとさんが書かれたといううさぎの絵も、本の表紙の手ざわりも、
もう、もう、となる。
ほんで、歌。
また書く。
昨日、なんばシティにふらっと行くと、
ロケット広場の跡地で、蜜のフリーライブをやっていた。
わたしの働いているお店にもCDを置いていて、
パープルスカイというシングルのサンプルがあったから、
気に入って、わたしは何度も流していた。
あ、あのひとたちだ、と思って、少し見た。
ほんとうは、トイレに行きたかったのだけれど、我慢して見ていた。
あの声も、プレゼントみたいだった。
なんていうんやろうか。
おおお、と思った。
歌はうまくうたえないけど、声を出したくなった。
声っていいなぁと思った。