本を愛しなさい

長田弘さんの「本を愛しなさい」をここんとこ毎日、眠る前に読んでいる。

読んでいるとすぐ眠くなって、眠いなりにもおんなじところを

何回も何回も読む。

 
 『オーデンの父は、サクランボを盗む人間をきらった。働いて報酬を受けとるのではなく、

利益のために働く人間をきらった。節倹家だった。オーデンは父を見ならった。

トイレットペーパーをけっしてむだにつかわないというのが、オーデンの自慢だった。』

 『オーデンは非常に早くから音楽好きだった。太い短い指で、たくみにピアノを弾いた。

母とはよく連弾した。連弾して、二人して、「トリスタンとイゾルデ」の愛の歌を歌った。

ゾルデのパートは、いつもオーデンだった。』



 『じぶんの存在なんて無用のものだということをよろこびたまえ。
  
  そして、しかもかつかつと歩きたまえ。

  そうして、じぶんが誰であるか思いだしたまえ。』


何回も何回も読んで気づいたらもう朝だよ。今日も。