血沸き肉躍る

からだというものは正直だとつくづく思う。

なにかを見て、聞いて、ふれて、おお!と反応する。わなわなと落ち着かなくなる。

荒川洋治さんが講座でおっしゃっていた、「血沸き肉躍る」。

なんとそのままのことばなのだと思う。まさしく。

すきな小説に、なにかの文章に、絵に、映像に、音にふれたとき、

血沸き肉躍る。自分のすきなものってよくわかる。

そしておこがましくもそこに近づきたい!と思う。

なんということだ。おそろしいことを思ってしまう。

ほんとになんていうことだ、だ。



そんなわたしはたまに人をばかにしてしまう節がある。

たとえば、だれかがアイドルに夢中になりすぎていたり、

変なものを信じられないくらい大量にコレクションしていたり、

今思い浮かばないことでもなにか少しやりすぎじゃないんかな、とか、えー、

と思ったとき、きっとばかにしているのだと思う。



それって、自分にもあてはまることで、だれかの「血沸き肉躍る」を笑いたくない。

ほほえめるようになりたいなぁ、と思う。しんそこ思う。