ぴったしなまくら

今使ってるまくらがちょうどいい。

前に使っていたまくらは高さが高くてぜんぜん合わなくって、

すぐに「あー、あかん」とまくらを外して寝ていたけど、

今のはほんとにちょうどいい。

このまくらは、夏が始まるすこし前に近所の寝具店で買った。

ほんとうは涼しそうなパジャマがほしいなぁと、パジャマを見ていて、

そのすぐ近くにまくらが置いてあって、なんとなくまくらも見ていた。

そしたらお店のおじさんが横に来て、

「このまくらいいですよ。ちょうどいいです」と言って、

その言い方(書くだけじゃ伝わらないかな)がなんだかおもしろくて、

それに、うちのまくらが高いことを思い出して、

「わたし、低いまくらが好きです」と言うと、

「これも低いですよ」とおじさんは言った。

「もうちょっと低いまくらが、、」といろいろ見ていたら、

低そうなまくらを見つけて、「これ低いですよね」と言うと、

「低いですよ。それにこれは、中を抜いて高さを調整できます」とおじさんは言って、

ここを開けて、中のカバーも開けて、この中身を、と説明してくれるので、

「あ、じゃあ、もし高かったら中を抜いて調整します」と言って、買って帰った。

中を抜かなくてもちょうどよかった。


それからその寝具店の近くを通りかかったとき、ふっとお店のなかを見るといつもあのおじさんがいて、

若い夫婦の接客をしていたり、大きい袋のなかに一生懸命なにかを仕舞っていたり、お店はゆっくりしてるけど忙しそう。


このあいだ、おねえちゃんに、「あっこで買ったまくらめっちゃいいねん。ぴったしやねん」と言うと、

「ああ、あっこ、おかあさんも好きやったで、あそこの布団いいねんって言ってた」って言った。

あっこやっぱりいいよな。という気持ち。

おじさんに「まくらよかったです」って今度言おう。