いつかのやつ
毎日暑い。
本棚がこわれて、どうにかやっと直して、
そこがきれいに整ったら、全部きれいにしたくなって、
ずっとさわってなかった物置きも片づけたりした。
子どものころ使ってたリュックとか、使い終わったいろんな大きさの蛍光灯とか、
バトミントンのラケットも、テニスボールも、へちゃげた野球のグローブもいっぱい出てきた。
それからなにか大きくて平べったくて重たい陶器みたいなんが新聞紙に包まって入っていて、
なんやろって開けてみたら、トイレの便座やった。
なんでこんなんおいてるん。新聞紙は2005年やった。
片山令子さんの「ブリキの音符」を読む。
「彼女はやって来る。ここへ。みじんこや魚やとかげの形をとおりぬけて、
人の形に生まれて。百日ぜきと、やけどと幾つもの忘れてしまいたいことをとおりぬけて」