息をするかたまり

「息をするかたまりとして目を開けて靴を履くとき人間である」

という、東直子さんの短歌が大好きで、

わたしはしょっちゅう思い出す。

ゆきち(うさぎ)のからだがどくどくなってるのをみてるときとか、

単純やけど、朝目を覚まして布団から出るまでの間とか、

だれかの背中をみたときとか、

電話の声をきいたときとか。ほんとうにしょっちゅう。

息をするかたまり。息をするかたまり。

あちらこちらに息をするかたまり。