二ケちゃん
自信がないって言ってしまうのは、謙虚なんかじゃなくって、
大丈夫やって、誰かに言ってほしいんやって、なにかで言ってた。
だから、自信がないって言わへんようにすることにした。大丈夫って知ってるって言う。
TOMORROWをあたまの中で歌いながら帰ってきた。
昔、町内会のお祭りで、そのときおかあさんが町内会のなにか係みたいなんやってて、
そんで、近所の友だちいっぱい誘ってTOMORROWを前で歌ったのを思い出す。
はずかしい。えい、と消したい。5年生のとき。
その頃、ゆうちゃんっていう子の家によく行ってて、
ゆうちゃんちのハムスターが繁殖してすごいことなってたなと思い出す。
ハムスターがたくさんいる部屋で練習した思い出。
わたしは毎日なにか思い出してばかりいるな。
わたしもハムスターを飼ってた。二ケという名前のハムスター。
ナイキをローマ字読みにして二ケやった。
その頃、ナイキのスニーカーを履いてたからそうした。
二ケは、ひまわりの種の殻を自分でむいて食べてた。キャベツも好きやった。
夜になるとカラカラまわるやつで走ってた。
ほんで、二ケは、わたしが中学1年のときに旅立っていった。
三者面談があった日やった。冬やった。